児童精神科医、佐々木正美先生の本です。
佐々木正美先生の本は、『子どもへのまなざし』が有名だと思います。私もすごく参考にさせていただきました。
今回の本は、なるべく簡単にまとまっていて、忙しい子育て中の親御さんにおすすめの本です。Q&A式でいくつか書かれているのですが、その中でも気になったポイントをまとめていきます。
- トイレトレーニングはお母さんが一生懸命にやってはいけないことの一つ
- 激しいイヤイヤ期は2~3歳くらい。
- しつけはいつからどうやって
- 偏食を直そうとするのはやってはいけないことの一つ
- 指しゃぶり、爪かみ、だっこばかり、今日は寝ない!独り占めなどは、自分を見てほしいサイン
- 怖がりでママのそばを離れない時
- わがままに手をやいている
- かんしゃくもちは、将来大きな業績をあげるようなパワーをもっていることもある
- よその人にあいさつができない
- いじめっこもいじめられっこもコミュニケーションが下手な子が多い
- テレビに子守をさせないで
- 子どもが嘘をつく
- 下の子ばかりかわいがってしまう
- 友達と遊ぶのが苦手な子はまずコミュニケーションの土台作り
- 激しい兄弟げんかをする
- 友達にノーと言えない
- 子どもに早く早くと言ってしまう
- 子育てで一番大切なことは、自分のことを好きな子どもに育てること。子どもの現在を幸せにすること
- まとめ
トイレトレーニングはお母さんが一生懸命にやってはいけないことの一つ
成長には順番があるし、いつできるようになるかは子ども自身が決めるもの。
なんでも早く成長しろ!と急かすのは早くできるのが優秀だと思っているからかもしれない。上手におしっこできたらたくさんほめているだけで、ちゃんとオムツが外れるから大丈夫
激しいイヤイヤ期は2~3歳くらい。
安心しているから子どもは親に反抗する。
子どもは依存(自分の言うことを聞いてもらうこと)と反抗(無理に自分の言うことを聞かせようとすること)を繰り返して自立する。
反抗は自立しようともがいている成長の証。十分に親に反抗できずに抑えつけられると、大きくなって社会に対して反抗して暴走族などになったりする。いい子ちゃんも自立ができない。
しつけはいつからどうやって
しつけで伝えるのは「文化」であり、「ねばならない」ことではない。文化なので各家庭で価値観が違っていてもいい。
伝える時期は、子どもがやってみようとする時期がチャンス。子供はできそうなときにやってみようとする。
やってみたい子どものシグナルを受け止めて手伝うことがしつけのはじまり。成長を喜ぶ気持ちはどんどん伝えよう。
偏食を直そうとするのはやってはいけないことの一つ
食事は楽しく、家族一緒に。子供が好きなものを作ってあげる。
自分で好きなおかずをお皿にとり、とったものは残さないようにする、おどしたりしない。
指しゃぶり、爪かみ、だっこばかり、今日は寝ない!独り占めなどは、自分を見てほしいサイン
サインをキャッチしたら、たくさんだっこしたり、絵本を読んだり、手をつないで歩いたり、お話を聞いてあげたり、スキンシップをたくさんしてあげてください。
怖がりでママのそばを離れない時
子どもが何歳でも、子どもが望むだけそばにいてあげてください
かわいがられていると安全感ができてくる→見守られていると安全空間で活動できる→愛情を確信していると安全空間をどこへでも持ち歩けて親が見ていないところでも遊べる
わがままに手をやいている
子どもは自分の言うことをよく聞いてくれた人の言うことを聞く
お母さんたちはもっと過保護になってほしい。過保護とは子どもが望んでいることに応えること。
過干渉とは、子どもが望んでもいないことをやったり、命令したりすること。
放任は、無関心。
子どもの望みを無視している過干渉と放任は子どもをわがままにする。
かんしゃくもちは、将来大きな業績をあげるようなパワーをもっていることもある
後ろからぎゅっと抱きしめるのもよい。
子どもの欲求に耳を傾けて、望みに応えることが、子育てで一番大切なこと。
よその人にあいさつができない
家族の中だけでも挨拶ができていたら素晴らしい!
子どもはあいさつすると、大好きなパパママが「はい、どうぞおいしく食べてね」とか「ご飯はおいしかった?」「はい、おやすみなさい、今日も楽しかったね」とか言ってくれるから嬉しくて自分からする。
いじめっこもいじめられっこもコミュニケーションが下手な子が多い
コミュニケーションの土台は、言葉のやり取り以前に、喜びや悲しみの気持ちを分け合うこと。
赤ちゃんは、自分を抱っこすることでパパやママが幸せな気持ちになってくださいと望んでいる。この望みがかなえられることが赤ちゃんの情緒の出発点。
いじめに負けない子にしようとするより、ママパパが、この子の望みに応えることは嬉しい、幸せだと思っていることがいじめから子どもを遠ざけることができる。
テレビに子守をさせないで
テレビは面白いけど喜びはない。忙しくても一緒に遊んであげてほしい。
子どもが嘘をつく
子どもにどうしてそんなことしたの!なんて問い詰めていたらまた嘘をついてしまう。
「本当のことを言ってくれてありがとう!」
「そんなことをしない人間になってくれたらママはもっと嬉しい!」と笑顔で言う。
下の子ばかりかわいがってしまう
大丈夫ではありません。
かわいがった子はかわいくなっていく。
何をするにも、生まれてきた順番を大切にすると良い。
上の子を後回しにしてはだめ、上の子からかわいがる。
友達と遊ぶのが苦手な子はまずコミュニケーションの土台作り
土台作りとして、親子で一緒に喜ぶ体験をしていくことが大事。
例)ママはあなたが楽しそうにしていると楽しい
コミュニケーション能力を育てるには、友達と遊ぶこと!これしかない!
激しい兄弟げんかをする
ジャッジしたり仲裁したりしない。頃合いを見計らって「いいかげんにやめて、おやつにしよう」
仲直りの練習でもある。
※この本には書いてありませんが、本当に危ないことは止めた方がいいと私は思います。
友達にノーと言えない
パパママに愛されているという安心感があると、パパママに向かって「でも僕はこうしたい」と言える。
パパママに「ノー」と言えたら、「よく嫌だと言えたね、えらい」というくらいでいい。
子どもに早く早くと言ってしまう
「早く!」と言われると、ペースに不満なんだと思うのではなく、自分自身の存在が不満なんだと子どもは捉えてしまう。
速度が遅いなら手伝ってあげればいい。もう「早く」というのは禁止するくらいでいい。
子育てで一番大切なことは、自分のことを好きな子どもに育てること。子どもの現在を幸せにすること
子どもに努力を強いる前に、親は無条件に子どもを好きになる努力をしてください。
まとめ
この本を読んで、改めて子育てで大切なことを学びました。
特に子供の現在を幸せにすることは、後回しにしがちだと自分の生活を振り返って思います。
それに子どもと喜びや悲しみを共有すること。これも、私にとっては意識していないとうまくできていないことがあるので気を付けたいと思います。どうしても、「そんなささいなことで」なんて思ってしまうのですが、それで子どもが傷ついていたら、「痛かったね」「残念だね」「悲しいね」と寄り添いたいです。
佐々木正美先生の本に書いてあることは、ハードルが高いこともあるのですが、ここに書いてあることをやれば、子どもは100%幸せになると思います。実践する人が増えてくれることを願います。
また、そういうことができる社会になるように期待しています。そのためには、親に余裕ができるような社会にならないといけないし、子どもが大切にされないといけないですね
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